おわりに
この講習会では、Gemini CLIを使用してGitHub Pages上にWebサイトを構築する方法を学びました。以下に主要なポイントをまとめます:
- Gemini CLIの活用: Gemini CLIを使って、コード生成や修正、文章作成を効率的に行う方法を学びました。
- GitとGitHubの基礎: バージョン管理システムであるGitの基本操作と、GitHubを使ったプロジェクトの管理・共有方法を理解しました。
- Webサイトのスタイリング: CSSを用いてWebサイトの見た目を改善し、より魅力的なデザインを実現しました。
- JavaScriptの導入: JavaScriptを使って、Webページに動的な機能を追加し、インタラクティブな要素を提供する方法を学びました。
これらのスキルを活用して、さらに高度なWebサイトを構築し、公開することができます。Gemini CLIとともに、あなたの創造力を活かして楽しいWebページを制作しましょう。
(余談)プログラミング学習は不要になるか?
Gemini CLIをはじめとするエージェントCLIによって、プログラミング言語を知らなくてもWebサイトやアプリケーションが作れるようになりました。 いくつかの企業では、ソフトウェアエンジニアの人員を削減した、などのニュースも耳にします。そのような時代にプログラミングを学ぶ意味はあるのでしょうか。 私はエージェントCLIであるClaude Code(Gemini CLIよりもコード生成が優れている)を使ってWebアプリやスマホアプリを複数作成してきましたが、それらの開発や保守を経験してみて、現時点では明確にプログラミングを学ぶ意味があると思っています。
簡単なホームページを作りたいだけだったり、アイデアのプロトタイプを最低限のアプリで作ってみたいようなケースだったら、すべてAIに任せてよいでしょう。しかし、ある程度の規模のアプリケーションやシステムを構築する上ではプログラミングの学習は避けられません。
生成AIの性能は年々向上していますが、2025年8月現在のトップの性能を持つLLMにおいても、常に正確で良いコードを生成するとは限りません(それはどんな人間であっても同様ですが)。そのため、AIにコードを書かせる際にはドキュメントを整備したり、テスト環境の環境を整えたり、いわゆる「ガードレール」的なものを人が用意して、その上をAIが爆走するような使い方が推奨されます。しかし、間違ったコードをAIが生成していたら、人がそれを見て指摘しなくてはいけません。エージェントCLIはコードにエラーがあった場合、そのエラーメッセージを読んで自動で修正するようなフローにはなっていますが、そのエラーだけを無理やり解決するような「良くない」修正をしていたりすることも多々あります。つまり、生成AIがコードを大量に書いてくれたとしても、結局は人がそれらを読み、評価する必要があるのです。
小規模なホームページやプロトタイプだったら、人によるコードのレビューは不要かもしれません。実際に生成AIに書かせて確認せずに正しく動作することは多いです。しかし、コードベースが巨大になるにつれ、確率的にもコードの一部に不具合を抱える可能性は高くなっていきます。人がレビューやコードの理解をしないまま開発を進めていくと、問題が発生したときに原因の特定や修正を行うことが困難になります。LLMは一度に扱える文章の量(コンテキスト)に限度があるので、コードが増えれば増えるほどAIによる修正も難しくなります。私も実際にエージェントCLIを使ってほぼコードを読まずに作成したWebアプリケーションは、今や保守や追加機能の開発が難しくなっています。
そのような事態を避けるために、正しく「ガードレール」を敷いて、人がきちんとレビューできる環境を整える必要があります。そのためにはプログラミングの知識や開発の知見が必要なことは自明でしょう。今後さらに生成AIが進歩して、本当にすべての開発をAIができるようになったら、それは夢のような話です。しかし少なくとも現状は、地道な学習にも意義があると言えそうです。それに加えて、生成AIをプログラミングの学習や開発のツールとして活用する方法を学ぶことも重要です。AIによってプログラミングが誰でもできるようになった一方で、むしろ学ぶことや開発時の大変さも増えたと言えるでしょう。
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